Dear NIPPON

横浜ではたらくマイクロ法人社長のつぶやき

一生実現しない理想郷

Chers mes amis

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ある日、知り合いの資産家にこう尋ねたことがある。

 


「絶対確実な投資先を教えていただけないですか?」

 

 

彼はニヤッと笑ってこう答えた。

 


「それは自分に投資することだよ」

 

 

誰もが一度は耳にする言葉。
いわゆる「自己投資」というやつだ。

 

今日はそんな自己投資について。
この自己投資を語るうえで、絶対に知っていなければいけないことがある。


それが、「人的資本」とは何かということ。

 

金融資本と人的資本


預金金利を年5%として、1億円を銀行に預けると500万円の利息がもらえる。
これを逆から説明すると、500万円の利息は1億円の資産から生まれるということ。


この資産1億円、つまりお金がお金を生み出す能力のことを、
金融資本という。

 

一方、ある人が1年間に500万円の収入を得ていたとする。

労働市場から5%の配当を受けていると仮定すれば、

この人自身の価値(資産)は1億円ということになる。

 

この資産1億円、つまり労働から利益を生み出す個人の能力のことを、
人的資本という。

 

自己投資とは、この人的資本を少しでも大きくする活動であり、

労働市場に自らを投じて、より大きな配当を受けとるために人は日夜「習い事」に精を出す。

 

人的資本には、それ以外にも、

精神面、健康面や人間関係をも含めた広い意味で言えば、
この人的資本の価値を上げることがいかに大切かがよくわかる。

 

まぁ、人生それがすべてだ!と言っても過言じゃないよ。

 

それに比べたら、貯金が多い少ない、マイホームの有無、車の有無、
ブランド品をたくさん持っている持っていない、といった金融資本など、
取るに足らないことだよ。


「自己投資」・・・っぽいこと

 
「自己投資とは、人的資本の価値を高める活動である」

 

そう定義するからこそ、多くの人は大学院や専門学校で資格を取得したり、
語学学校に通って英語力をつけようと「自分へ投資」をする。


ちなみに、俺がスタンフォード大学MBA留学しようと、
留学予備校に通っていたのも、自己投資である、、、

 

と、最近まで思っていた。
でも、正確には「自己投資」っぽいことをやっていたに過ぎないということを最近知る。

 

資格を取ったり、語学を学んだり、、、
こうした投資はたいがい無駄に終わることが多い。(全部とは言わないよ)

 

なぜなら、資格や能力に価値があるのはそれが「希少」だから。
たどたどしい片言の英語が話せるようになったからといって、収入が増えるわけではない。

 

行政書士の資格を取ったからといって、
全国に何十万人といる行政書士の一人になったに過ぎない。

 

弁護士が高給を得られるのは需要に対して人数が少ないからだ。
(最近は、弁護士の数が増えすぎて食えない弁護士も多いと聞くけどね)

 

今も昔も変わらず、
少数の人間が大きな利益を手にする資本主義というゲームの中で暮らしている以上、
ゲームの参加者の大半は損をしていることになる。

 

じゃあ、どうすればいい?
やることは決まっている。

 

”自分だけ”の島を見つけること。

”自分だけ”の刃を研ぎ澄ますこと。

 

すごくシンプルだよ。


自分だけの刃を研ぎ澄ませ!


「国に限らず、企業でも個人でも、誰もが自分の得意分野で頑張れば全員が幸福になれる。
社会は弱肉強食の世界ではなく、人々は自分の特技を交換しあって豊かになっていく。」

 

これはある経済学者の言葉。
とても美しい理論だね。異議なし!俺も大賛成。

 

理想は大事。

だけど、この理想的な建前は話半分に聞いておこう。
というのも、大半の人は疑ってかかって実践しないからね。

だから、いつまで経ってもこの理想郷は実現しない。

 

「誰もが自分だけのエッジ(刃)を持っている」


そう心の底から信じて生きる人がもう少し増えればいいな。

 

 

 

まとめ

 

自己投資とは、

試験で良い点数を取ったり、資格の数を増やしたりすることではない。
自分だけの刃を研ぎ澄ますこと。

そして、しっかり労働市場から配当を得ること。